ソフトウェア軽視の現実

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私はメーカーでFA装置の電気・制御設計をしています。
今はもう慣れてしまってあまり感じなくなったのですが、それでもやっぱりソフトウェアが軽視されていると感じるのです。

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よくあるFA装置のおおまかな要素として、機械・電気・ソフトがあります。
機械は装置の骨格です。
すべての基礎になる部分ですので、ここがしっかりしていないといけません。
電気は血管です。
流せばあらゆるものが動きます、といっても電気は配線だけでないですけどね。
ソフトは頭脳です。
どんなに機械・電気がしっかりしていも、ここがないと装置はただのでかい置物になります。

では、どれが一番重要でしょうか?
これは比較すべきではないですね、お互いに尊重しましょう。
ところが、うちは古い考えが残っているので順位があります。
機械がNo.1、ついで電気がNo.2、そしてソフトは「おまけ」です。

電気と一緒に「ソフト」がついてくるのです。
だから冒頭で申したとおり、「電気・制御設計」をしているのです。
実は設計だけにとどまらず、人手が足りないので配線・加工もしたりしますけど...
つまり周りの認識としては、「機械:電気:ソフト」が「2:1:1」です。
せめて「1:1:1」じゃないですか!?
「1:1:2」くらいだと私は思ってますが...

ソフトが一番時間がかかると説明しても伝わりません。
制御盤の電気配線がある程度終わった時に「もうすぐ完成」みたいな空気感になります。
うちは小規模で制御があまりいらない装置が多いためか、これがどうやっても拭えません。
「PLCでラダーをちょっと書くだけで動く」といった程度で考えが止まっているのです。

私は周りと比べて規模の大きい設備を担当していて、さらに電気とソフトのどちらもやっている私としてはソフトの方が圧倒的に知識がいると感じています。
確かに機械も電気も幅が広いですが、ソフトは「ソフト」だけでまとめられるような範囲ではなくなってきています。
ネットワーク構築ですら「ソフト」、UI設計も「ソフト」なんです。

でも周りにはパソコンすら苦手な人が多いという現状。
VBAでマクロを組むだけで尊敬されますから...
コマンドプロンプトでPINGを飛ばせる人が出てくるのはいつになるのでしょうか。
まずIPアドレスを説明しないと始まらない人がたくさんいます。
とりあえず、一からパソコンを作らせたほうがいいですかね?
OSはLinuxで...

ソフトウェア軽視の現実

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  • 2020/03/06

    こんにちは。時々拝見させています。私は、かつて分析装置を製造販売している会社の設計部に勤務していました。担当は、ソフトウェアでした。機械設計、電気設計、ソフトウェア設計の順に技術内容の抽象化が高いです。(外から見えにくい)そして、この順番で歴史が短いですね。機械設計は、産業革命の時代から発展してきたのですから。JISも機械設計のためにあるようなものです。(笑)ソフトウェア技術とJISは、無縁と言っていいでしょうね。今も変容を遂げている技術ですからね。私の勤務していた会社では、ソフトウェアが冷遇されているという事は有りませんでしたがMPUが世に出た頃には、ソフトウェアはオマケと言う風潮が有ったのは事実です。では、貴方の現状を打破するにはどうするのか。これは、もう啓蒙活動をするしかないと思います。例えば設計レビュー、製品説明会、トラブルシューティング等々の機会に機器の中でのソフトウェアの機能、設計手法、等々を具体的にわかる言葉で繰り返し訴える。(教育する)このような地道な活動を通じて、理解を得ることが重要かと思います。無理のない範囲で頑張ってください。

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