絶賛KiCadを勉強中です。
大切な資産であるライブラリの移行も大まかなところはなんとか終わり、とりあえず基板を1枚設計中です。
その中で気づいたKiCadの良し悪しをEAGLEユーザ視点で語ってみたいと思います。
あくまでEAGLEと比べて、という感じの評価なのでご注意ください。
ちなみにどちらのソフトも熟練ではなくほぼ初心者ですので、機能を知らないかもしれません。
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目次
KiCadの良いところ
シンボルやフットプリントの微調整がしやすい
EAGLEはライブラリのシンボルとフットプリントが密結合です。
1つのシンボルにあらゆるパターンのフットプリントをあらかじめ関連付ける必要があります。
そのため、プロジェクトで一度だけ使うであろうフットプリントの微調整でも、EAGLEではライブラリを編集してそのフットプリントを追加する必要があります。
一方でKiCadは疎結合なので、そのあたりがラフに編集できます。
今回の基板ではフットプリントを微妙に変えたい、といった場合でもそのプロジェクトだけでフットプリントを変えられたりシンボルのピンを変えられたりするので、煩わしさがありません。
長穴スルーホールが作りやすい
KiCadのフットプリントエディタではスルーホールの形状に「長穴」があります。
これが非常にありがたいです。
EAGLEは長穴スルーホールを作るのに手間がかかります。
これはこれでもう慣れちゃいましたけど、KiCadに触れたときは革新的に感じました。
EAGLEが不便すぎるというだけなのかもしれませんが。
ライブラリの処理が軽い
EAGLEは激重です、Fusionはもっと重いです。
ライブラリが多いと検索するのにかなり時間がかかります。
最初の読み込みが終わるとスムーズなんですが...
検索をミスると最悪フリーズしますからね。
KiCadは全体的に軽快な動作ですし、ライブラリの検索が非常に高速なのが助かります。
検索で何も一致しないライブラリでもライブラリの名前は出てしまうのが探すのを邪魔しています。
それがなければ素早く部品を見つけられるので悩まずに済むんですけどね。
KiCadの悪いところ
複数選択で移動すると配線がちぎれる
部品単体であればドラッグ機能があり、配線をちぎらずに移動できます。
しかし、複数の部品を選択した状態ではドラッグ機能は使えず、配線がちぎれてしまいます。
これが結構手間に感じていて、ある程度完成してから移動するとストレスが溜まりがちです。
逆にEAGLEでは部品単体の移動はなく、配線がくっついてくるのですが、それはそれで鬱陶しいので一長一短な感じがしています。
回転してもテキストの位置揃えが変わらない
これは良くも悪くも...という感じですが。
部品を回転したときにテキストの位置揃えが変わらないので更にテキストを回転させてければなりません。
プロジェクトを開く画面で1個だけしか選べない
KiCadはプロジェクトを開いてファイルを選ぶ方式ですが、EAGLEはプロジェクトが入っているディレクトリを設定できて一覧がずらーっと出てくる方式です。
一覧でたくさん表示されていると比較がしやすかったり、コピペするのがスムーズなんですよね。
まあKiCadも2つ起動すればコピペもできるんですがスムーズさに欠けるというか...
ネットクラスの割り当てが面倒
EAGLEはネットクラスへの登録はどんな配線でもプロパティからできます。
KiCadはラベルが付けられている配線であれば右クリックのメニューからネットクラスの割り当てできますが、ラベルのない配線はできません。
配線全部にラベルをつけるのは面倒ですし、なんとかならないのかと思っています。
ネットクラスの太さがデフォルトではなく、ちゃんと選択しないといけません。
EAGLEはネットクラスを設定すると配線の設定がある程度強制されます。
KiCadは強制されないのでこれはこれで便利なのですが間違い防止という点では考えものです。
スリットを作るのが面倒
EAGLEであればmillingレイヤーというのがあって、そこに線を引けばスリットを作れます。
KiCadではmillingレイヤーがないのでEdge.Cutsレイヤーでスリットを作ります。
線を引くのではなくスリットの外周を描きます。
ひと手間必要ですし、変更も少し面倒くさいです。
EAGLEみたいに配線と同じ線の引き方で外形線も引けたら少しは便利なのにと、思いました。
あれはあれで融通が効かないのでクセがありますけどね...
まだまだKiCadを使いこなせておらず、機能も全部知らないのでもしかしたら解決方法があるかもしれません。
対応してないとしてもアップデートは続いていますので、これからに期待できます。
開発も活発なようですのでどんどん便利になっていくのを願っています。
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