「なぜまた時計を作ってしまったんだ・・・」と作った後に思ってしまったんですが、作ってしまったなら仕方がない。
LCD時計にVFD時計、ニキシー管時計もあるのにどこに置くというのか。
今までデジタル時計ばかりでしたが、今回は珍しくアナログ(?)時計です。
プロジェクトがいっぱいたまってるのに何やってんだか。
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表示部
アナログ時計と言っても使うのはアナログメータを使っているので機械式ではありません。
こういう動きをする腕時計は「レトログラード」というらしいですよ。
0~5Vのアナログ直流電圧計を使うことでマイコンからPWMで直接制御するだけの簡単な時計です。
85C1というタイプの安い電圧計を使っています。
アナログ電圧計のサイズがそこそこ大きいので、時・分・秒を表示するとなると時計としてはそこそこ大型になります。
もっとレトロなデザインのメータを選ぶと雰囲気が出ていいかもしれません。
制御部
制御部はArduinoなどを使うと非常に簡単です。
電源回路も入っていますから、はんだ付けも少なく済むでしょう。
外部からDC12VをVIN端子から供給するとして5Vも3.3Vも生成されますからね。
簡単な原理
例えば「時」のメータを表示するにはRTC(リアルタイムクロック)などから情報(0-24)を取得してPWM(0-255)で出力すればいいのです。
analogWrite(hour_pin, map(rtc_hour, 0 , 24, 0, 255));
上記の hour_pin はアナログ出力(PWM)できるピンで、 rtc_hour はRTCで取得した現在の「時」情報です。
「PWMは方形波なのになぜ針が振れないで指示できるのか」というのは「可動コイル形計器は平均値を指示する」ということだけ覚えてもらえればいいです。
それ以上は計測の専門書に載っていますので興味がある方は見てみてください。
これを「分」「秒」に対しても適用すれば、単純な時計であればほぼ完成です。
表示部に電圧を与えるだけでいいので非常に簡単になります。
滑らかな動きにしようとするとちょっと複雑になるかと思います。
実際の制御部
私は制御部にArduino Leonardoを使いました。
なぜかというとシリアル通信が2つ使えるからです。(PCとの通信プラスもう1つ使える)
その割に安いというメリットもあります。
なぜ2つ使いたいかというとGPSを搭載したいからという理由です。
ソフトウェアシリアルでいいじゃんと思うかもしれませんが、個人的に通信速度を上げると不安定だし極力使いたくないんですよね。
RTCにはDS3231を使いました。
Aliexpressなんかだとパチもんでしょうが、安く売っているのでそれを使っています。
GPSも安いのをと思って買ったら全然取得できませんでした。
室内ですから仕方ないかもしれませんが・・・
一応リンクを貼っておきますが、あまりおすすめできません。
中身も撮影したんですが、ぐちゃぐちゃで恥ずかしいのでボケたのを置いておきます。
たぶん、ユニバーサル基板で一から作ったほうがきれいに仕上がると思うんですけどね・・・
回路
回路はざっくりとこんな感じです。(GPSモジュール抜き)
マイコンとRTCとアナログメータくらいしか部品がないという超シンプルな回路になっています。
上図はArduino LeonardoなのでD13でもアナログ出力(PWM)が可能です。
アナログ出力ができるピンならどこでもいいとは思いますが。
外装
アクリル板を使ったケース
あとは一番重要な見た目に関わってくる外装をどうするかですが、アクリル板で作ることにしました。
図面を久しぶりに書いて、dxf→ai化。
この設計だと前はネジでとめますが、後ろは嵌めるだけです。
なぜそうしたかというと、後ろをとめるのにかなり苦労する未来が見えたからです。
もうちょっとマシな設計を考えるべきでした。
後ろの穴はDCジャックとUSBコネクタ用の穴です。
なぜこんなに位置が揃っていないかというとアナログメータと干渉しないようにするためです。
USBコネクタの穴は入りますが微妙に合ってないです。
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需要はそんなにないと思いますがDXFファイルとSVGファイルを上げておきます、ご自由にお使い下さい。
アクリル板の厚さは3mmを想定して設計していますので、3mm以外で加工するとおかしくなります。
アクリル板は片面がつや消しのものを使いました。
すこし高めですが、汚れやキズが目立たなくていいです。
友人に頼むと速攻でレーザー加工してくれましたよ。
表示部をそれっぽく
あと表示部が0~5Vのスケールのままでは非常に見づらいです。
そこでここも置き換えちゃいます。
85C1だとネジで簡単に取れるようになっていますので、交換は簡単です。
これも図面を書いて、ちょっと厚い紙(光沢紙でOK)で印刷すれば完成です。
理想としては金属の薄板にラベルでも貼れば曲がらないのでいいかもしれませんが、これが一番楽です。
寸法が間違っているかもしれないので参考程度にお使いください。
「可動コイル形」で「CLASS2.5」で「鉛直に置いて使用する」という、表示も一応入れています(笑)
別になくてもいいのですが、もともとの表示にはありましたので載せておきました。
そのほうが「それっぽい」感じが出てると思いませんか。
完成
制御部を中に組み込んで、合わせて完成です!
幅は25cmくらいありますので、だいぶ大きいです。
当たり前ですがバックライト等は埋め込んでないので、暗所では見えません。
裏は本当に嵌め込んでいるだけです。
なので下手に動かすと裏板が簡単にはずれてしまいます。
裏板がはずれると側板も外れてしまうので面倒です・・・
連続した滑らかな動きにしようとも考えましたが1秒を刻んでいるのを感じ取れる方が好きなのでこうしています。
時計としての可読性は低いですが、デザインとしては気に入っています。
もうちょっとレトロ感が出せたらいいんですけど、これはこれでありだと思っています。
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これ、いいですね!
これを作ってみようかな〜と思ってしまいました。
と同時に、このハードは車のスピードメーターに応用出来ませんか?
最初、ステッピングモーターなるものを使って試してみようと思いましたが、これでイケるなら、そのパターンも試してみようと考えました!
この時計、カッコイイです。
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