以前、空圧式のディスペンサを作ったことがあります。
アナログ操作のタイプでボリュームを回して吐出時間を調節する仕様です。
もう数年は使っていますので慣れてきましたが、どうしても正確性に欠けます。
また、制御基板がユニバーサル基板で気になっているところでしたので思い切って作り直してみました。
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外観
変更点はデジタルで調整できるようになっただけです。
もったいぶらず完成写真を出します。
いつも通りコンパクトとシンプルさと重視したものになったかと思います。
空圧用の継手やフットスイッチ用のコネクタは使い回せるよう以前と同じです。
レギュレータは少し高かったですが、よくわからないメーカではなくちゃんとしたものを使っているのでノブが軽くて調整しやすいですし、必要最小限のもを使ったためとても小さいです。
以前に作ったやつは今も愛用しています。
操作がシンプルで結構小型ですし機能的にも申し分なく、これはこれでありなんですけどね...
制御基板と空圧回路
メインの制御基板はコンパクトに仕上がりました。
まあディスペンサの機能自体がかなり単純ですからね。
使わないかもしれませんが、一応アナログ調整式にも転用できるようにボリューム接続用のパターンを用意しました。
また、7セグドライブ用のTM1640が載った基板につながるコネクタは一応同じシリーズの7セグドライバなら使えるようにSTBピンも用意しています。
TM1638なんかがSTBが必要になっています。
というのも7セグの電圧計が届く前にすでに制御基板の設計を進めていたので、7セグ自体がアノードコモンかカソードコモンか分からず、とりあえずどちらでも制御できるように...と念には念を入れた結果なのです。
ちなみにロータリエンコーダのブレイクアウト基板も自家製という、正直どうでもよく見えもしないところもこだわり抜いています。
空圧回路はようやく見せられるくらいにはまとまるようになりました。
実際の空圧機器の内部はどうなっているんですかね?
もっと柔らかくて強度のあるエアチューブを開発してください、よろしくお願いします...
シンプルの追求
筐体
シンプルを追求した結果、既製品のケースでは満足できず今回はオーダメイドで寸法指定をして加工してもらいました。
といってもミスミで設計しただけなんですけどね。
以前は圧力計を上部に取り付けたのですが、今回は前面に持ってきています。
さらに7セグディスプレイが増えたにもかかわらず、アナログ調節式と比べてほとんどサイズは変わっていません。
ノブの回す速度で数値の増加率を変化させる
今作のディスペンサはロータリエンコーダで吐出時間を調整しますが、その調整レンジは0.01~99.9秒です。
非常に広いレンジですので、普通にノブを回していたらとんでもなく時間がかかります。
ならばと最大を小さくするか、もしくは桁ごとに調整できるようにも考えたのですが、それはそれで面倒だと感じました。
そこで某電源メーカM社の安定化電源に実装されているノブを回す速度で増加率が変化するロータリーエンコーダに似たようなものを自前で実装し、高い操作性を実現させています
いい感じに加速(?)できてる気がする pic.twitter.com/VOgTiFYPi5
— たまさ@Neulse (@EHbtj) June 9, 2021
他に工夫したところ
調節モード
調節をデジタル化した結果、いろんなモードを搭載することができました。
ノブを押せばモードが変わるようになっています。
単純にノブを回して時間を調整するモードと、メモリに保存している時間で動くプリセットモード(3種)、フットスイッチを押しているときだけ動作させるマニュアルモードがあります。
数値表示器
主に時間を表示する7セグメントディスプレイは非常に苦労し、こだわったところでもあります。
小型のパネルマウントの7セグLEDがどこを探しても見つからなかったので、いい感じに小さい7セグの電圧計を買い、その中の基板を載せ替えました。
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この中にある基板を載せ替えます。
右がもともと入っていた電圧計用の基板で、左が私が設計したやつです。
当たり前ですが外形はそっくりそのままです。
1GN1640TというTM1640の互換品でより小さいパッケージのICを使っているのでなんとかこのサイズに収まりました。
TM1640は抵抗不要で最大16個ドライブできて輝度調整もできる優れものの7セグメント用LEDドライバです。
ちなみにTM1640は秋月でも販売されています。
GN1640TはLCSCで見つけました。
16個ドライブできるのに3個の駆動にしか使っていないので、だいぶ持て余しているんですけどね。
機能的にはシンプルな機械ですが、こだわりを持って作れたと思います。
最近の作品の中ではかなりハイクリティな仕上がりになりました。
気持ちよく作業できますし、精度も上がってますます作業を効率化できそうです。
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